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Retirement from F U

b 触知マップ(TDM)法 _ 触覚から生活を振り返る

触覚は 視覚や聴覚に比べると、

人の五感 の中でも ふだんは あまり意識されない 基本的な 感覚です。

この触覚を使うことで私たちは 今よりも豊かに 生活を 振り返り、

生活と 健康の 意味を 見直すことが できます。

あなたも 身の回りの物品を 入り口にして、

生活を 健康を 振り返ってみませんか。


触覚による生活マップ



視覚障害の有無に関わらず使用できる、

触覚を用いた生活認識と健康教育の方法

守山 正樹・永幡 幸司・山田 信也・高橋 広

眼科紀要(Folia Ophthalmol Jpn) 58巻、146-152頁、2007年


要約; 身の回りの物品を座標平面上に配列展開することで生活の特徴を立体的マップに表わし、その触知によって、視覚障害者はもとより、誰でもが生活を触覚から振り返ることのできる方法を開発した。 

要旨; [目的] 康教育では個々人の生活習慣の振り返り/内省が重要である。ライフスタイルのキーワードを二次元的に展開するTDM法は、この内省過程を支援することが知られている。このTDM法では、対象者はライフスタイルに関連のキーワードが印刷されたラベルを認識し、それを配列展開して生活のイメージマップを作成し、遂には自分のライフスタイルの全体像を把握するに至る。しかしこの方法では、墨字のラベルを用いるため、視覚障害者はラベルを認識できない。本研究では、視覚障害者でもマップ作成と内省の過程を遂行できるよう、新たな援助の仕組みを検討した。[方法]視覚障害者への適用をめざして原法(TDM法)を再検討する中で、「“墨字のラベル”を“触覚から認識できる日常的物品”で置き換える」との着想が生まれ、この新たなTDM法は“触知TDM法”と命名された。触知TDM法は、二人の視覚障害者によって検証された。[結果]二人の視覚障害者は、他からの実質的な援助を受けることなく、独力で触知TDM法を完了することができ、各自の個性的な触知マップを生み出すとともに、各自の特徴的なライフスタイルの全体像を把握する至った。[結論]触知TDM法は視覚に依存せずにライフスタイルを振り返ることのできる方法であり、視覚障害者が用いるのに適した方法である。


はじめに

    健康教育と健康増進においては、各人が自分の生活を振り返り、生活を内省することが大切である1)。日々の生活は多くの習慣化された項目から成り立っている。対象者に生活を具体的に振り返ってもらうためには、「生活を構成する多様な項目(例えば食事、睡眠、運動など)を思い起こし、そこから自分の生活の全体像を構成し、生活を見渡して検証する作業」が必要となる2)。このような自由度の高い思考を支えるためには、思考の過程を表示できるコンセプトマップが役立つ3)。しかし視覚障害者が生活を振り返ることを支える試みは、これまでに報告されていない。そこで本研究では、元来、晴眼者の使用を想定して開発されたコンセプトマップの一形態であるTDM法、別名_生活マップ法4)を取り上げ、同方法で用いられている「2段階の配列作業を通した生活イメージの整理と思考」が、視覚障害者にも適用しうることを示した。また作業過程に触覚を使う新方法を開発し、視覚障害者が自立的に生活を振り返ることを目指した。

    TDM法(Two Dimennsional Mapping Method;2次元イメージ展開法、生活マップ法とも呼ばれる)とは、日常生活上の様々な行動(食事、外出、入浴、睡眠、等)を表わす言葉(キーワード)について、それらのキーワードをラベルに表示し、ラベルを座標軸に従って配列展開し、マップ(展開図)を作成する中で、対象者が生活を振り返る方法である4)。X軸には“行動の主観的な頻度”(あまり行わない/よく行う)が、Y軸には“行動に関する主観的な価値”(あまり好きではない/大好き、あまり大切でない/とても大切、等)が用いられることが多い4)。著者が1988年に食事指導に関連して開発した方法5)が元になっている。TDM法におけるラベルの配列と展開の過程を図1に示す。



図1.TDM法(2次元イメージ展開法)におけるラベルの配列/展開の手順

    本研究の出発点であるTDM法について、ラベルを用いた2次元のイメージ展開とはどのようなものであるのかを、順序を追って図示している。


    対象者はラベルの操作や出来上がったマップを通して、ラベルに表示されたキーワードの相互関係を把握する。「自分は外出よりも食事を頻回に行う」、「睡眠よりも入浴を楽しいと感じる」など、様々な行動の相互関連がマップ作成過程で把握され、生活の振り返りに至る6)。

    TDM法の開発当初は、視覚障害者がこの方法を使うことは想定外であった。しかしTDM法では、視覚だけでなく、ラベルの移動作業を行う手指の位置の感覚が重要であることが、福岡大学医学部での学生(晴眼者)を対象とした視覚障害体験実習7)から経験的に指摘されていた。よって、手指の位置感覚を活かしたコンセプトマップは、視覚障害者にも利用価値が高いと考えられ、本研究が開始された。


実験対象ならびに方法


1.事例研究1(既存方法の検討)

    既存のTDM法は視覚障害者にも適合する方法である、との仮説を事例的に実証した。

1)対象

    対象は二名の視覚障害者(A氏、B氏)である。A氏(男性、31歳)は12歳時に薬剤の事故で失明し、現在に至っている。視力は左右眼ともに全盲である。B氏(女性、31歳)は網膜色素変性症によって、小学生時より進行性に視力を失い、現在、視力は左右眼ともに手動弁の状態にある。

2)方法

    2004年7月の学生実習の際、対象者の協力を得てTDM法によるマップ作成を試みた。A氏とB氏は6名の学生(晴眼者)と共にラベルの配列展開作業に取り組んだ。台紙はA4大で、図2に示すごとく横軸と縦軸が墨字で印刷されていた。ラベルは縦43㎜、横25㎜大で、「眠る」、「風呂に入る」などのキーワードと略画が墨字で印刷されていた。A氏とB氏の作業条件を統一するために、B氏にはアイマスクを装着してもらい、A、B氏ともに全盲の状態で作業に臨んだ。A氏とB氏にはそれぞれ補助者をつけた。補助者は個々のラベルの言葉を読み上げてから、対象者にラベルを手渡しした。時間経過と作業の様子は、手書きのメモとして記録された。

.事例研究2(触知TDM法の開発)

    TDM法におけるラベルの位置と意味を、視覚障害者自身が認識できれば、マップ作成から生活の振り返りに至る全過程を、補助者に頼らずに、視覚障害者が独力で行える可能性が出てくる。TDM法の改良に関して試行を行い、新方法の開発を目指した。

1)対象

 著者のうち3名(MM、NK、YS)が必要に応じて自ら被験者になり、TDM法を追体験し、新方法開発に向けて討論と試行を繰り返した。

2)方法

    討論は「視覚障害者がラベルの意味を認識できるようにするにはどうするか」といった課題に対し、自由にアイデアを出し合う形ですすめた。

    「目で見る代わりに、手で触れて考える」ことの可能性の検討に際しては、まず文献検索から先行研究での知見8、9、10)を確認した。物品を手で触れた際に発動される触知認識力(Haptic Glance)の確認としては、研究室内の道具(鉛筆、本、携帯電話、コイン)を机上に置き、アイマスク下でそれらを実際に触知することを繰り返した。触知して理解できた内容は、手書きのメモとして記録した。

.事例研究3(触知TDM法の試行)

    開発した触知TDM法が実用に足る方法であるかを、事例的に確認した。

1)対象

 事例研究1と同じ対象者(A、B氏)の協力を得て、同研究から1年後の2005年7月上旬、開発した触知TDM法を試行に供した。

2)方法

    A氏はそのままの状態、B氏はアイマスクを着用し、紙のラベルに代えてミニオブジェ(実際の物品あるいはそのミニアチュア)を用いる触知TDM法での配列展開作業に臨んだ。各ミニオブジェは、手指による把持と移動を容易にするため、底部にマグネットが付いたプラスチック台座(直径3cm、円形)上に接着剤で固定した。座標面はスチール性のホワイトボード(B4大)を使用した。着席した二人の対象者の前に座標面を置き、ミニオブジェを順次手渡し、まず触覚から物品名と関連機能を推測してもらった。全ミニオブジェの認識が終了した後は、対象者は独力で配列展開作業を進めた。作業中、対象者には思い浮かぶことを自由に発言してもらい、発言内容は手書きメモと録音により記録した。


結 果

.既存方法(TDM法)の検討

    対象者(視覚障害者A氏、B氏)は、補助者の声による説明からラベルの内容(キーワード)を理解し、TDM法の作業(配列と配列)を行った。対象者の様子から「いったん配置したラベルの位置や内容を忘れた」と判断された場合には、補助者がその都度、対象者の手をとり、該当するラベルの位置を示すと共に、ラベルの内容について口頭で説明を追加した。同時にTDM法を行った晴眼者(学生)がマップの完成に10分を要したのに対し、対象者は30分を要した。対象者のマップを図2に示す。


図2.TDM法(2次元イメージ展開法)によって作成された生活マップ

    a:A氏による生活マップ、 b:B氏による生活マップ 


    当初、晴眼者の使用を考えて開発したTDM法を、視覚障害を持つ二人の対象者(A氏、B氏)に使用いただき、その結果として作成された生活マップを示す。使用されている墨字のラベルを、対象者は見ることができないが、補助者がついて意味を説明したために、それほどの困難なく、マップ作成を行えた。各マップは、それぞれの対象者の生活の特徴を表している。

    作業終了後、マップ作成から理解できた内容を対象者に質問した結果、A氏からは「(自分は)パソコンをよく使い、本来は活動的な生活を送っているが、必要に迫られて最近始めた学校通いや病院通いは、楽しいと思っていない」、B氏からは「テレビが好きで、人との交流も楽しんでいるが、歩くなど体を動かすことは、あまり楽しくない」との発言が得られた。生活を振り返る上でマップが役立ったかを質問した結果、A氏とB氏の何れからも、「(自分の)生活が様々な行動から成り立っていることを改めて意識した」、「マップ作成を通して(自分の)生活の特徴が理解できた」との発言が得られた。

.新方法(触知TDM法)の開発

    ラベルの認識と操作を視覚障害下で達成する方法を討論した結果、点字を理解する対象者の範囲が限られることから、点字版の開発は見送られた。

    ラベルに代えて物品を用いる発案に関連して、机上の物品4種類をアイマスク下で触れる試みからは、「物品を手で触れると、ほぼ瞬時に、それが何かが理解できる」、「理解できた物品から、生活に関連する行動を具体的にイメージできる」の2点が、事例的に確認された。理解できた物品名とイメージされた行動は、以下のごとくである; 鉛筆→字を書く、本→読書する、携帯電話→電話する、コイン→買い物する。

    物品のイメージに生活行動を重ねあわせ、それらの物品を配列展開できれば、触知からのマップ作成が現実のものとなる。物品が大きすぎる場合、実物に代えてミニアチュアを用いることも有り得る。使う物品の種類と配列方法についての討論と試行を経て、以下の手順によるマップ作成の新方法、触知TDM法、が考案された。

(1) (対象者は)手で順番にミニオブジェ(物品の実物、またはその主要な一部分、またはミニアチュア)に触れ、名称(例;スプーン)を思い浮かべ、関連する生活行動(例;食事する)を思い浮かべる。
(2) 同様にして複数のミニオブジェに触れ、複数の生活行動を思い浮かべる。
(3) 座標軸X(該当する生活行動の頻度)に従い、ミニオブジェを横方向に配列する。
(4) 座標軸Y(該当する生活行動を行う際の楽しさ)に従い、ミニオブジェを縦方向へ展開する。
(5) 出来上がったミニオブジェによる立体図を様々な角度から触れ、ミニオブジェ相互の位置関係を確認し、そこに表された生活の特徴を言葉で表現する。

    ミニオブジェとして研究室の机上だけでなく、家で日常的に使用する道具や物品を見渡した結果、以下の対応を設定した; a 洗濯バサミ→洗濯する、b ボタン→着替える、c シャンプーの注口→風呂に入る、d 携帯電話機の玩具→電話する、e ボールペン→字を書く、f スプーン→食事する、g 缶飲料のプルトップ→飲み物を飲む、h サンダルの先端→外出する、i ゴルフボール→スポーツする、j イヤーフォン→ラジオやテレビ、k コイン→買い物する、l 歯ブラシ→歯を磨く、m 本の一部→本を読む。


3.新方法(触知TDM法)の試行

    平面的なラベルに代えて立体的なミニオブジェを触れた対象者(A氏、B氏)は、13個中9個のミニオブジェ(a、b、d、e、f、i、k、l、m)については、5秒以内に、その物品名と関連する生活行動をほぼ設定どおりに言い当てた。ミニオブジェgとjについては、物品名は即座に適切に答えられたが、関連する生活行動が即座に発言されなかったため、説明を補った。残りのcとhについては、二人共に触覚からは物品名を思い浮かべることが困難だったため、「それぞれ“シャンプーの注口”と“サンダルの先端部分”であること」、「“入浴”と“外出”を意味すること」の2点を説明した。

    ミニオブジェの配列展開時には、ホワイトボードの横枠/縦枠をX軸/Y軸としたため、座標軸の位置については説明を要さなかった。X軸の左/右端が行動の頻度「あまり行なっていない/よく行なっている」に、Y軸の上/下端が行動の価値「楽しい/あまり楽しくない」に対応することは、対象者に口頭で説明した。

    いったん対象者がミニオブジェと座標軸の意味を理解し、独力で最初のミニオブジェを移動させ始めてからは、以後の説明は不要だった。対象者は触覚を頼りとして作業を進め、独力で15分以内に触知生活マップを完成した(図3)。

図3.ミニオブジェを用いた触知TDM法による立体的な触知生活マップ

A: A氏による触知生活マップ、  B: B氏による触知生活マップ


    本研究の結果として開発された触知TDM法により、視覚障害を持つ対象者が自力で作成した触知生活マップを示す。墨字のラベルではなく、日常生活で実際に使用されている13種類の物品(ミニオブジェ)が使用されている。    

    マップ完成後の両氏の発言を表1に示す。元の発言(表1上段)には、個別生活行動への言及から、生活全般への考察までが、共に含まれていることが明らかである。表1下段では、マップ作成過程に沿った項目別に発言を整理した; a_個別行動の同時的把握、b_行動と頻度の意識化、c_行動と価値の意識化、d_生活全体の内省と特徴化。両氏の発言には各項目に対応する箇所が認められた。生活全体の特徴把握と内省に関して、A氏の場合は「私の場合、生活全般にはあまり無頓着だし・・」が、B氏の場合は「私は、・・“楽しい”ことが多いですね・・・」が、それぞれ該当すると考えられた。


1: 触知生活マップからの対象者の発言内容の分析

    触知生活マップを作成した二名の視覚対象者が、マップの作成後に、マップに触れて発言を示す。表の上半分には発言内容をそのまま示す。表の下半分には項目化された認識内容に対応する形で、“発言の部分”を示す。


考 察

    三つの事例研究から触知TDM法が考案された。物品への触知の瞬間に、触覚的な認識力が発動され、物品のイメージが形成されることは、先行研究8、9、10)に示されている。本研究では“ミニオブジェの認識”をさらに対応する“生活行動の認識”へと連結させた。その後のマップ作成は、ミニオブジェの配列と展開の2段階から構成される。一見単純な方法であるが、“複雑な生活の全体像構成”に至るまでには、表1下半に示したごとく、認識に関連した幾つかの段階が介在すると考えられる。この過程で使用される主要な感覚は触覚である。触覚からの作業を出来るだけ容易なものにするためには、座標面とミニオブジェの双方について、材質・形状・表面の触感などを工夫し、触知からの認識と洞察の精度や再現性を高めることが必要とされる。たとえば外出に対応したミニオブジェとして、本研究では“サンダルの先端部”を用いたが、外出を想起させるミニオブジェはそれだけではない。靴紐、靴べら、靴の履き口など、靴に関してだけでも幾つもの候補が存在する。最適なミニオブジェを選択するためには、日常生活の各側面を的確に想起できる物品や道具につき、視覚障害者の実生活に根ざした実証的検討が必要であろう。

    本研究で出発点としたTDM法と触知TDM法とを比較して表2に示す。

2. TDM法と触知TDM法の比較;視覚障害者における独力での作業可能性

    「視覚障害者が独力で作業できる」という観点から、TDM法と触知TDM法を比較した。


    墨字で印刷されたラベルと座標面に代えて、ミニオブジェとホワイトボードを用いることにより、TDM法では必要であった補助者による説明や援助が、触知TDM法では殆ど必要とされず、視覚障害下での作業が自立的に進んだことが明らかである。さらに、出来上がった触知生活マップは物品で構成されているため、いったん自分で作成したマップを覚えている必要はなく、再度触れることによって、いつでもマップの部分と全体とを再確認し、検討することができる。また他者が作成したマップであっても、内容を具体的に読み取ることができ、自他の結果を比較できる。実際、臨席で同時進行的にマップを作成したA氏とB氏が、その後、手を伸ばして互いのマップに触れ、それぞれの生活に関して語り合う場面が観察されている。自分の生活を振り返るだけでなく、自分とは異なる他者の生活に触れることが、健康への気づきを促進し、参加的なヘルスプロモーションの原動力になることが指摘されている1)。触知生活マップによるコミュニケーションの実際や、生活と健康に与える影響につき、新たな研究が必要とされよう。

    開発を主体とした本研究の限りでは、触知TDM法の実行可能性や有用性は、事例的な確認に達したばかりの状態である。本研究では、A氏とB氏の作業条件を統一するために、B氏にはアイマスクの着用を求めたが、実用化の場面では、アイマスクは必要ないと考えられる。ロービジョン者の場合は、触覚に加え、視覚的にも座標軸やミニオブジェを認識できれば、全盲者の場合よりもさらに自由にマップの作成/確認/共有を行えるであろう。一方、晴眼者はTDM法があればマップを作成できるが、あえて触知TDM法を体験すると、視覚に加えて触覚を使う作業過程を「楽しい;興味深い;生活の細部がリアルに思い出される」等とする場合が多いことが、最近の学生実習から観察されている。こうした経験を踏まえ、著者らはロービジョンに関するフォーラムの場で、数十名の対象者(ロービジョン者、全盲者、晴眼者を含む)の参加を得て、触知マップの作成を試みている。その結果、視覚・視力が何れの状況であっても、触知マップの作成を行うことができ、そこから対話が生まれることが、確認されつつある。本研究では「触覚の活用」に焦点を当てて開発を進めたが、今後、特にロービジョン者がマップを作成する機会が増えるのであれば、座標軸/座標面やミニオブジェの色コントラストなどに関しても、検討が必要になろう。


文 献

1)健康日本21計画策定委員会: 参考2、参加と働きかけ.健康日本21計画策定委員会編、健康日本21報告書、60-69、健康・体力づくり財団、東京、2000.

2)文部科学省スポーツ青少年局: 今なぜ「心の健康と生活習慣に関する指導」なのか.文部科学省編、心の健康と生活習慣に関する指導、6-22、文部科学省、東京、2003.

3)Novak JD: Meaningful learning for empowerment. In: Learning, Creating, and Using Knowledge: Concept Maps as Facilitative Tools in Schools and Corporations, 19-34, Lawrence Erlbaum Associates, New Jersey, 1998.

4)文部科学省スポーツ青少年局: 展開例11、指導資料からの出発.文部科学省編、心の健康と生活習慣に関する指導、82-91、文部科学省、東京、2003.

5)守山正樹、松原伸一:食のイメージ・マッピングによる栄養教育場面での思考と対話の支援.栄養学雑誌 54:47-57、1996.

6)守山正樹:健康教育の人間情報学を目指して-16名の受講者と過ごした180分の授業の中で見えてきたこと-.石井敏弘編、健康教育大要、284-304、ライフサイエンスセンター、横浜、1998.

7)守山正樹、福岡大学医学部公衆衛生学教室グループ: 初めての視覚障害体験、1-71、城島印刷、福岡、2003.

8)Katz D: The World of Touch (Original work published 1925). Edited and translated by Krueger LE, 1-249, Lawrence Erlbaum, London, 1989.

9)Klatzky RL, Lederman SJ et al : Identifying objects by touch: An “expert system”. Perception & Psychophysics 37: 299-302, 1985.

10) Klatzky RL and Lederman SJ: The haptic identification of everyday life objects. In: Hatwell Y & Gentaz E ed, Touching and knowing, 123-159, John Benjamins Publisher, Amsterdam, 2003.

図1.TDM法(2次元イメージ展開法)におけるラベルの配列/展開の手順

    本研究の出発点であるTDM法について、ラベルを用いた2次元のイメージ展開とはどのようなものであるのかを、順序を追って図示している。

図2.TDM法(2次元イメージ展開法)によって作成された生活マップ

    a:A氏による生活マップ、 b:B氏による生活マップ 

    当初、晴眼者の使用を考えて開発したTDM法を、視覚障害を持つ二人の対象者(A氏、B氏)に使用いただき、その結果として作成された生活マップを示す。使用されている墨字のラベルを、対象者は見ることができないが、補助者がついて意味を説明したために、それほどの困難なく、マップ作成を行えた。各マップは、それぞれの対象者の生活の特徴を表している。

図3.ミニオブジェを用いた触知TDM法による立体的な触知生活マップ

A: A氏による触知生活マップ、  B: B氏による触知生活マップ

    本研究の結果として開発された触知TDM法により、視覚障害を持つ対象者が自力で作成した触知生活マップを示す。墨字のラベルではなく、日常生活で実際に使用されている13種類の物品(ミニオブジェ)が使用されている。

表1: 触知生活マップからの対象者の発言内容の分析

    触知生活マップを作成した二名の視覚対象者が、マップの作成後に、マップに触れて発言を示す。表の上半分には発言内容をそのまま示す。表の下半分には項目化された認識内容に対応する形で、“発言の部分”を示す。

 表2. TDM法と触知TDM法の比較;視覚障害者における独力での作業可能性

    「視覚障害者が独力で作業できる」という観点から、TDM法と触知TDM法を比較した。

添付ファイル (5)