「あなたにとって 無くなったら困る大切なこと/ものは 何ですか」
Wifyは まず自分に また周囲の人々に このように問いかけます。
問いかける中で 対話が育ち、
他の人との関連性が育ち、新しい世界が広がります。
あなたも Wifyを 問いかけてみませんか。
Wify
生活の中から参加的に言葉を育て、
生活世界の多様性を学ぶ試み
Wifyの誕生は1998年6月です。当初子どもたちの環境認識調査法として開発されました。「あなたにとって、無くなったら困る大切なもの/ことは何ですか?」という同一の質問を、三つの状況設定下で、子どもたちに尋ねます。「子どもが生きる毎日の生活と、子どもを取り囲むこの世界の様子を、子どもが、子ども自身の言葉で語るために、どんな質問が適切か」という問題意識の元に、開発されました。英語で書くと、What is important for you?となります。英語の頭文字をとり、Wifyと命名しました。日本語では「ウィッフィ」と呼んでいます。
Wifyの開発過程は、以下の論文をご参照ください。
Moriyama, M. et al. Tohoku J. Exp. Med., 2001; 193(2), 141-151.
守山正樹.環境観・世界観を可視化・言語化する問いかけWifyの開発.理学療法 28:1149-1160, 2011
守山正樹.Wifyによる精神性の言語化・意識化.理学療法28:1264-1276, 2011
子ども向けに、分かりやすくWifyの原則を書いた文書としては、以下をご覧ください。
守山正樹.Wify;生活の中から言葉を育て、生活世界の多様性を学ぶ、2002
Wifyが、子どもたちだけでなく、大人にも役立つと分かったきっかけは、信州大学医学部の学生に対し、丸地信弘教授(当時)のご理解の元に1999年11月16日に行った公衆衛生学・交換講義の場で、学生たちが示した活発な反応でした。Wifyの役立つ場面がさらに明確化したのは、当時、策定の最終段階にあった健康日本21(我が国の国民的ヘルスプロモーション運動)の総論原案が公表されたことでした。総論参考2には、地域住民の考え方を参加的に学ぶ「働きかけない働きかけ方」が出てきますが、Wifyから起こる変化は、この参加的働きかけが予見した変化に相当することが示されました。それ以後Wifyは数多くの人々によって活用されています。上記冊子の38頁で取り上げたタイでの経験に関連して、タイのランパーン看護大学における2000年ワークショップ(丸地先生が主催)の二日目、参加者の一人であるサード・マンシング氏が「Wifyの発想を歌詞に表現したい」と言い出し、翌日“Wifyの詞”を贈ってくれました。
What is Wify? What is Wify?
Who are you? Who am I?
Would you like to tell me? Would you like to tell me?
I would like to tell you, I would like to tell you,
I love you, I love you.
Wifyの詞を送られた翌日、ランパーン大学でのワークショップ懇親会(2000年2月16日)では、Wifyの歌が紹介され、40名を越える参加者全員での大合唱になりました。
国際的な場面でのWifyによる出会いと学びは、その後も発展を続けています。